ユニバーサルデザインと家具
5 ユニバーサルデザイン家具への展望
わたしは、そのような真に使い手本位の「ものづくり」の先に、
ユニバーサルデザインに近づく手掛かりがあるような気がしています。
いくつかの伝統的な家具産地では
行政主導でUD家具の開発が進められています。
その中には、無闇に手すりや点字、音声ガイダンスをつけたもの、
可動部を多くしたために耐久性や操作性が犠牲になっているものなど、
まだ混迷の中にあるという印象のものも多く、
そこには未だに作り手の独善的なデザインプロセスを想像してしまいます。
家具業界における、真のユニバーサルデザインの実現には、
消費者の使用感を反映するシステムが不可欠なのではないでしょうか。
さらにはデザインする主体が高齢者や障害当事者であるような状況が
もっと自然になることも、 UD への一層の近道になると思います。
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